真っ赤な紅龍を手に入れるにあたり、重要なことは、大きく分けて次の2点。



種親を含めて、その個体の血統は重要です。

" 選別によって、紅くなるアロワナを選ぶ "といったイメージがあると思いますが、
たとえば、" 紅くならない個体群100匹 "の中から、いくら真剣に選別を行っても、
ほぼ紅いアロワナを手に入れることは不可能であると考えています。

奇跡的に、突然変異的に、そういった個体が産まれないとも言い切れないですが。。。


らんちゅうをはじめとする、品評会が開催されるような金魚、錦鯉、グッピー、レッドビーシュリンプ、
ディスカス等の、繁殖を手掛けたことがある方は、よくお理解りかと思いますが、
種親の素質を大きく越える個体を作出するのは非常に困難です。

そして、そのような優秀な遺伝子を持った個体の中でも、さらに選別を行って素質のある個体を
セレクトする必要があります。
優秀な種親からならば、確実に素晴らしい個体が産まれるとは限りませんから。。

錦鯉や金魚等でも、品評会に出品する個体は、優秀な種親から大量に産まれた個体を
何度も選別を行って、最終的な出場選手を決めますよね。
その個体の持つ "素質" は非常に重要なのです。





"素質のある個体"を手に入れても、水質をはじめとする、飼育環境や方法があってないと、
その個体の素質を100%引き出すことができない場合があります。

たまたま、偶然その個体にとっての理想の環境になればいい訳ですが、
やはり、健康に赤く育てるための、ある程度の知識は得ておいた方がいいですね。




〜当店代表 大谷より一言

くり返しになりますが、"本当に紅い個体"を育て上げるには、上記の2点が不可欠です。

当店では、今までにわたくし自身が経験した情報提供も含め、
実践的なアフターフォロー、アドバイスをさせて頂くつもりです。

ただ、たびたびお客様よりお聞きする言葉で気になっている点がひとつありますので、
まずはご紹介致します。


「必ず紅くなるといった説明をされて紅龍を購入したのだけど、数年飼育しても紅くならない。
 その件を購入店に相談すると、"水が悪いんじゃないですか"とか"飼育方法が悪いんじゃないですか
 と言われたのですが、しばらく頑張ってみたのですが改善しないので、買い換えようと思います。
 または、飼育をやめようと思っています。」 

というような内容です。

私の考えとしては、やはり、先に説明致しました2点につきます。

実際問題、飼育環境か飼育方法が完全ではなかったのかもしれませんし、
その個体の持つ素質が十分ではなかったのかもしれません。

もしくは、"お客様が望んでいた紅さ"と、"販売店側が考えていた紅さ"
ズレがあったのかもしれません。

ただ、
"水が悪いんじゃないですか"といったような言葉が、われわれアロワナ業界人の
逃げ口上になるのは問題だと考えています。

私としてもその点は気を引き締めて"重要な2点"をお客様にご提供していきたいと思います。

最後に、私の方からも一点言わせてください。

紅辣椒の説明ページにも書かせて頂きましたが、"本当に紅くなるアロワナ"は、
市場で容易に飛び交うほど数が多い訳ではないということを覚えておいてください。

それは"高価な個体を購入すれば、必ず紅くなる"といった訳でもないです。
"安価な個体は紅くならない"とも言い切りません

 「安価な個体が、必ずしも悪いと言っているのではありません。
 いわゆるこの業界で昔から言われてきた"抜き"によって、素晴らしい個体が手に入ることもありますし、
 流通の関係や入荷の仕方によってもそれはあり得ると思っています。
 あくまで一般論としてとらえて頂き、"あくまでその個体そのもの"を見て選んでください。という意味です。
 そのあたりの詳細は、また別のコーナーで書いていきます。」

個体の素質を読み切るのは、なかなか難しいことではありますが、
少しでも見極めれるようになって行って頂きたいと思います。
もちろん、私なりのアドバイスも致します。

それと、もうひとつ、私の今までのキャリアの中で、何回か耳にしたお言葉ですが、
"どんな水質でも、放っておいても紅くなる個体がほしい"というものです。

これに対しての回答は、"紅くなるストライクゾーンの広い個体"は比較的、
この要求に応えてくれやすいかもしれません"です。

"紅くなるストライクゾーン"とは、以前から、わたくしがお客様への説明させて頂く際に
使ってきた言い回しですが、その個体にとって、紅く発色できるベストな水質や環境のことで、
それが広いということは、紅くするのが比較的簡単であるといった意味です。

"紅くなるストライクゾーン"に関する詳細は、また別のページで説明していきたいと思います。

ですが、そういった個体でも、その個体が本来持っている 素質を何パーセント引き出してあげれているかを
意識してあげてください。


やはり、元々の素質が高い個体は、ベストの環境から、少々ずれていてもそれなりに紅くはなって くれるはずですが、
アロワナは手に入れたら展示しておけばいいだけの美術品ではなく、 尊い命を持つ生き物ですから、"アロワナの
気持ちになって"飼育して頂ければ、より良い結果が出ると思います。